我は真理に通じない者なり

WIZMAZE全エンド制覇につき、
今日は心置きなく感想とレビューを書かせていただく。


ウィズ1
WIZMAZE(ウィズメイズ)
作者:Jakalope様


・そもそもWIZMAZEとは何か?

第11回ふりーむ!ゲームコンテストで我が妖刀伝を抑えて最優秀賞を取った作品である。
僕としては研鑽を積む意味でも、是が非でもやらなければならない作品であろう。


・どんなゲーム?

RPGである。
ダークファンタジーと称されている通り、全体的に雰囲気は暗め。
完成度は高く、暗めに統一された世界観は一見の価値あり。
基本的にはオーソドックスな一本道(ルートの前後は可能)だが、主人公の行動によりエンディングが3つに分岐する。


・ストーリーは?

見習い主人公が、ウィザードの昇格試験に挑む、というもの。
自分以外に二人の受験生がおり、協力するか敵対するかは自分次第。

ウィズ3
作中には世界観を補填する書物が多く存在し、それらを紐解くことで物語の背景が徐々に明らかになっていく。
ルートによって読めない書物や、構築される人物関係等、3つに分岐するストーリーは、破綻なくよく作られている。
一つのエンディングの謎が他のエンディングで明らかになることもあり、作り込まれたストーリーは必見。


・システムは?

戦闘はオーソドックスだが、無理なレベル上げをしなくてもクリアできる程度の良心的な難易度設計。
自分の好きなスキルから取得できるスキルツリー的な育成要素もある。

ウィズ2
戦闘はいらないから物語だけよこせ!
という人の為に、ゲーム開始時に「カジュアルモード」という難易度が選択でき、なんとすべての戦闘がスキップ可能。
様々なニーズに対応した、配慮の行き届いた作品と言えるだろう。




と、まずは何の変哲もない紹介から入らせていただいた。
この類のレビューが見たい方はもぐらゲームスのレビューでも見るがよろしい。


最初はそういう無難なレビューで終わろうかとも思ったが、
どうもツイッターやブログを見る限りでは作者のJakalopeさんは僕と同類の、
レビューでズタボロに言われたい人
ではないかという疑念が沸いてきたので、
ここからは僕の出来る限りWIZMAZEをズタボロにしていく。
覚悟はいいか。


ここから先は多少のネタバレを含むので、今後WIZMAZEをやる予定の方は見ないほうが良いかもしれない。


まず断っておきたいのは、僕は決してWIZMAZEが嫌いではないということだ。
好きか嫌いかで言われれば好き。
だが、神ゲーだ!と絶賛するほどにはハマれなかった。
というのが正直なところだ。

これは決してWIZMAZEが面白くないわけではなく、おそらく僕の好みによるところが大きい。
たいがいのゲームはプレイ後多くの批判点が出てくるものだが、WIZMAZEにはそれがなかった。
単に、すべての指摘が「自分の好みに合わなかった」に終始するのだ。

ゆえに、これから述べる指摘を批判と受け取られることの無いよう。
これはあくまで僕の個人的な好みの問題であり、「こうすればもっと面白くなる」ではなく、「こうすればもっと僕好みになる」という点にすぎない。

と、できる限りのフォローはしたので以後ズタボロにしていく。

覚悟はできたか?




1.文章量が多い

僕が一番指摘したい点はこれである。
WIZMAZEをプレイした人は、まずその圧倒的なクオリティの世界観に圧倒される。
そして、多くの書物や説明からその世界観の片鱗を読み解き、徐々に理解していくことを求められる。
しかし、その量があまりに多い。

ウィズ5

これは文章を読むのが苦痛な人にはやや辛い。

一応断っておくが、これらの文章は無理に読む必要はない
だが、これらの文章を読まずに進めると、会話の常識が理解できなくなるシーンが複数存在する。
その結果WIZMAZEの最大の魅力を捨てることになるので、結果的に物語自体を楽しめないことうけあいである。
ストーリー上強制的に挿入されるよりははるかにマシだが・・・

物語自体が短い(公称2.5~5時間)ので、イベントだけでは世界観を語りつくせない故の処置だろうが、やや文章を盛り込み過ぎだったのではないだろうか。



2.主人公の行動の基準が曖昧

この項目はややネタバレなので注意されたし。
WIZMAZEには2人の仲間が存在し、彼らと協力するか敵対するかが重要な物語の分岐点となる。
Aルートなら彼らを暗殺することになり、Aルート以外の場合は見捨てることでCルートへと分岐する。

が、まず彼らと協力しないことで主人公に何のメリットがあるのかが判然としない。(Aルートを除く)
「なるべく一人で試練をクリアしたほうが高評価になる」みたいな設定があるなら協力を断るのは理解できるが、別にそういうわけではないらしい。そもそも受験者同士で協力してもいいのだろうか?

そして見捨てた場合にほぼ真エンド扱いのCルートに分岐する理由がわからない。
仲間がいないから痩身の男が手を貸した・・・と言ったらそうなのかもしれないが、理由もわからずに見捨て、その結果プレイヤーにボーナスがつくのは多少納得がいかない。

ウィズ6
そして一番重要なのが、「見捨てることで彼らは死ぬのかどうか」が判然としていないことである。
一応WIZMAZEは仮想空間?で死んでも大丈夫みたいなことを序盤に言われるし、見捨てた後オードにもそう説明されるからおそらく死んでいないのだと思う。
が、それならAルートのあの暗殺は一体なんだったのか。主人公が積極的に暗殺した場合だけ死んでしまうというのは納得いかないし、Aルートでも実際は生きてましたというのもなんだか納得いかない。
Cルートの主人公って結局Aルートとやってることは変わらないんじゃないのか?

そういえば序盤にオードが「WIZMAZEに死は存在する」みたいなことを言っていた気がするので、ひょっとして僕が何らかの情報を見落としているのだろうか。(オードの正体も結局わからなかった)

どうせならゲーム開始時に「自信があるなら一人で攻略したほうが学院の評価は上がる」と説明させ、その上で協力したらB、見捨てるか騙して殺したらA、助けはするが協力しない場合Cみたいな分岐の方が納得できたかな、と思う。



3.戦闘が単調

この点はふりーむの審査委員コメントでも指摘されているが、僕なりの考えを述べる。

スキルツリーについては上で述べたが、そうやって習得スキルを自分で決める割には、実際戦闘で行うことはシンプルであり、バフをかけて弱点属性を突くだけである。

ウィズ4
属性自体は物理と魔法合わせて11種類もあり、スキルもわりと豊富。
決して戦闘に重きを置いていないゲームとは言い難い。
が、やることは結局、最大ダメージを与えられる攻撃方法を探して適度に回復するだけ。
ラスボスはタメ系技を使ってきたりするが、結局こちらがやれることはしっかりバフをかけておくくらいである。

シンプルな戦闘が悪いと言っているわけではない。
個人的には、逆に戦闘は極限まで単純化してしまった方が良かったのではないか、と考えている。(理由は後述)

また、このゲームには結構バランスブレイカーな装備があり、おそらく最強である三元の真理剣ですら1周目で楽に取れる(スキル全取得が条件だが、普通にプレイしているだけで意外と取れる)。
それでなくとも戦闘スキップ等の救済措置があり、救済を使うか使わないか、最強武器を取るかどうか、そのあたりはプレイヤーが判断してくれと言わんばかりの設計となっている。一見多様なニーズに応える親切設計だが、プレイヤーに選択を委ねすぎてしまうのも考え物だと思う。例えるならどうしても倒せないから躍起になって戦略を練る楽しみもあるわけで。
そこはある程度製作者側からハードルを押し付けてほしいという願望が僕にはある。



4.行動に自由がない

エンディングは3パターンに分岐することはすでに解説した。
そういう意味ではストーリーに自由はあるほうである。
システム的な面でも、腐樹界と古寺院の攻略が順不同だったり、ある程度自由が効く作りとなっている。

しかしそれは、あくまでストーリー的な分岐に過ぎず、自身が強くなったことによって行動範囲が広がる楽しみは、このゲームにはほとんどないと言っていい。

ウィズ7
このチュートリアルで、「ネフェシェル」「イストワール」のような自由度の高いRPGを想起した人は多いのではないだろうか。
しかしこの色分けが重要なのは最序盤のみであり、実際は赤シンボルでも割と普通に倒せる。

最初は赤シンボルを避けて装備を回収、後に強くなってから今まで行けなかった道を突破していく・・・
もしこのゲームがそういう楽しみ方を想定していたのなら、それは失敗していると言わざるを得ない。
そして、もっと戦闘が単純であったなら、そういう楽しみを持たせることも可能だったのではないか、と僕は考える。



5.総括

練られた重厚な世界観を、ちりばめられた会話や伏線、書物から断片的に拾い上げ、物語の裏側を考察するのが好きな人にとって、これ以上楽しめるゲームはそうそうないだろう。
逆に、物語の裏側なんてどうでもいいから、早く先に進めたくなるようなワクワクするストーリーを求めている人にはおそらくこのゲームは合わない。
また、システム面で「ネフェシェル」的な「自身が強くなることや、アイテムの発見によって行動範囲が広がる」系のゲームを期待している人にとっても、おそらくこのゲームは期待に添えるものではないと思う。



以上、ズタボロタイム終了である。

もう一度言うが、僕はWIZMAZEが好きか嫌いかで言われれば好きである。
世界観の構築とゲームとしての完成度には目を見張るものがある。
しかし僕はどちらかというと重厚な世界観よりワクワクを求める性分なので、このゲームは合わなかったかな、と思う。


だが、このゲームは紛れもなく最優秀賞なのである。
それは逆に、一つの事実を示している。

僕のゲームには、重厚な世界観を構築する努力が足りない。


思い当たる節がありすぎて困るかげろうでした。
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